メガネの重さ:掛け心地を決めるもの
試着ではぴったりに感じたフレームでも、2時間目には鼻に重くのしかかることがあります。バリ島の気候では、この一点が何より大事になります。
フレームは形や色、顔への収まり方で選びます。重さは、写真では見えない部分です。1時間、2時間と掛けたとき、外で一日過ごしたあと、スクーターの上で、バリ島の暑さと湿気の中で感じるものです。重すぎるフレームは鼻に跡を残し、汗ですべり、掛けている時間より外している時間のほうが長くなります。何がフレームを重くするのかを知ることは、眼鏡技術者だけの専門的な話ではありません。メガネを毎日掛けるのか、ケースに入れたままにするのかは、ここで決まります。
- フレームの重さは3つで決まります。素材、厚み、そして丁番の質です。
- アセテートが必ずメタルより重いわけではありません。どう削り、どう仕上げるかで決まります。
- バランスのよいフレームは、合っていない軽量フレームよりも、鼻と耳に軽く感じられます。
- バリ島のような高温多湿の気候では、グラム表示の数字より、体感の重さが大事になります。
バリ島でフレームの重さが違って感じられる理由
暑さと湿気は、フレームの感じ方を変えます。肌は当たる場所に敏感になり、汗で鼻とテンプルのかかりが弱くなります。エアコンの効いた店内ではぴったりだったフレームが、外に出た瞬間、スクーターの上や歩いている途中で不快になることがあります。バリ島に住むお客様も、旅行で訪れるお客様も、試着のたびに同じ質問に戻ってくるのは、そのためです。掛けていることを忘れられるのか、それとも一日中気になるのか。
フレームの重さを決めるもの
フレームの重さが、ひとつの要素で決まることはありません。設計段階の選択の積み重ねです。素材(アセテート、メタル、チタン、またはその組み合わせ)、フロントとテンプルの厚み、レンズの大きさとその周りを囲む素材の量、そして丁番の構造。丁番はどれだけの耐久性をもたせるかで、重くも軽くもなります。
同じ素材でつくられた2本でも、こうした構造の選択で重さは大きく変わります。だから素材だけでフレームを比べても、全体は見えません。
アセテート、メタル、チタン。思い込みを外して重さを比べる
アセテートはメタルより重い、とよく言われます。これは見直したほうがよい思い込みです。アセテートは植物由来の素材で、アセテートかメタルかのガイドで詳しく取り上げています。細く削れば軽く仕上がりますし、厚みを出して表情をつければ、実際に重くなります。一般的なメタルは同じ体積なら軽いことが多いのですが、重いメタルフレームの中には、うまく削ったアセテートより重いものもあります。チタンは希少で加工の費用もかかりますが、軽さと強さのバランスにいちばん優れています。ただし、色や質感の選択肢はアセテートより少なくなります。
素材を先に決めるのが正しい進め方ではありません。素材の違う何本かを試して、顔の上で実際に感じるものを比べること。スペック表の数字だけでは分かりません。
重さと同じくらい、バランスが大事
バランスの悪い18gのフレームは、きちんと合わせた24gのフレームより重く感じられます。体感の重さは、鼻と耳へどう分散されるかでほぼ決まります。大きさの合った鼻パッド、こめかみの曲線を無理なくなぞるテンプル、正しい位置にある丁番。これらが重さを一点に集めず、分散させます。掛けていることを忘れるフレームと、1時間で外すフレームの差は、たいていここにあります。
Maison Mata が重さをどう考えているか
当工房では、Handmade のフレームを一本ずつ手で削り、手で調整します。だからアセテートの厚みを一律にせず、場所ごとに変えられます。この工程は手仕事のフレームが生まれるまでのガイドで取り上げています。必要のない場所は薄く削り、強度がいる場所、とくに丁番の周りは厚くします。目指すのは、いちばん軽いフレームではありません。バリ島のような気候で毎日掛けるのに、いちばんバランスのよいフレームです。
買う前に、自分に合うフレームか見分ける方法
- 写真を撮るあいだだけでなく、最低5分は掛けたままにします。
- 頭を左右に動かして、ずれるか、そのままかを確かめます。
- 数分後に鼻の感じを確かめます。たいてい、そこに最初の違和感が出ます。
- できれば、暑い日や、軽く体を動かしたあとに試します。
重すぎるフレームは、最初の1時間で分かります。よく考えられたフレームは、顔にあることを忘れます。